二〇〇七年二月二日パリ、
地球温暖化、人間に原因と国連の気候変動に関する
政府間パネル(IPCC)第一作業部会の第四次報告案が二日、明らかになった。その骨子は、このまま温暖化が進めば今世紀末の地球の平均気温は最大六・四度上昇するとの内容である。
平成十九年二月十日付の地元紙によると、社会経済に対する影響については、今後も
化石エネルギーに頼り、高い
経済成長を重視する社会が続けば、気温が五十年ごろに二から三度上昇し、生物の二〇から三〇%が絶滅の危機にさらされるほか、水不足に見舞われる人の数が最大で二十億人もふえ、
異常気象や熱波の被害は、社会基盤の整備がおくれている
発展途上国のみならず、先進国でも避けられないとの報道されている。そして
温室効果ガスの削減だけでは温暖化の悪影響に対処できないとしており、今後の
防災対策や水利用の効率化などの対応策が、各国の重要課題となる。
考えてみると、今起こっている温暖化の大部分が人間が起こしているものであり、このまま温暖化が進めば、私たちが直ちに行動を起こさない限り、地球というふるさとにとって取り返しのつかない結果をもたらしてしまう(アル・ゴア)。私たちはこの現実に緊迫感を持って対処しようとする
取り組みがなされているだろうか。この
地球温暖化問題について、
地方自治体としてどのように認識し
取り組みを行うのか、市長の決意をお伺いします。
環境汚染者であるという認識について。
地球温暖化というとてつもない大問題に対して、世界が
環境改善に
取り組み、地球が破滅へ進むのを阻止するために、日本もイニシアチブを発揮して対策推進に立ち上がったことは、皆様御承知のとおりであります。
仙台市においても、杜の
都環境プランを基本として
地球温暖化対策実行計画の推進、
環境フォーラムせんだい国際会議などを開催してさまざまな対策を実施しております。その一環として、一月三十日から二月二日までの
地球環境フォーラム「地球の気温が二度上がったら」において、「ポイントオブノーリターンを迎える前に一刻も早く行動を」と訴えた
東京大学山本良一氏の講演に多数の参加者があり、
市民意識の変革が図られた。
そこで、だれが地球の
環境汚染者なのか、市民一人一人の
科学的知見の向上と行動変化を促すための基本認識について当局の御意見をお伺いします。
都市環境の保全について。
私は、人と自然の共生は、住民というよりも人類に課せられた大きな役割と考えます。人類が自然と本当に共生してきたのは産業革命の前までで、その後は人類が優先的に便利に生活するために、また利益優先の志向の発達により自然を破壊し続けてきた。それが本来のあるべき姿ではなかったことに気づいたのは、最近の自然の荒廃の進行と
異常気象の出現などを目撃、体験してからのことであります。
失った自然の多さははかり知れないものがあり、サハラのとまらない砂漠化、ポリネシア、
キリバス諸島のサンゴ礁の白化、アマゾンの熱帯雨林の伐採による
希少動植物の絶滅や、氷山が急速に解け出しているグリーンランド、西南極氷床が解け始めているなどなどについては、周知の事実であります。
人類の欲望を満たす活動により排出された
二酸化炭素(CO2 )などの
温室効果ガスが主な原因である確率が高くなって、このまま進めば、二〇〇八年から二〇一二年に削減を約束している
京都議定書だけでは不十分になったことがはっきりした。さらなる対策は、待ったなしだ。
仙台市では、
環境基本法に基づき大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染及び騒音の
環境基準の常時監視を行っている。
オキシダント濃度、新幹線・
自動車騒音など一部
環境基準を超える実態にあるものの、大都市でありながら仙台市の環境は、おおむね良好な状況を維持している。
さらに、常時
環境監視は、
環境悪化への対処はもとより、将来の環境を予見する情報の蓄積という重要な役割を果たしていることを重視して、平成十四年五月に仙台市
地球温暖化対策推進計画を策定したが、その計画では、平成二十二年度における本市域の
温室効果ガスの市民一人当たりの排出量が平成二年度比較で七%削減することにしているが、仙台市における
温室効果ガスの排出量が国全体の約三倍の伸び率になっている状況を見るとき、この目標値を達成することは相当困難ではないかと危惧している。
加えて、資源の
有効活用は、単なるむだを省くだけではない。化石燃料に頼らない、
温室効果ガスの発生しない代替物質の
優先的活用、例えば住宅の
外壁断熱材の張りつけ、
太陽光発電・燃料電池の
積極的活用、
ハイブリッド車の普及、レジ袋の廃止、
プラスチック物質の回収と再活用、ごみの分別の徹底による再資源化での排出ごみの
徹底的減少、古紙回収を初めとする資源の再利用・再生など、方法の拡大と確実な実施が求められる。回収したものが大きな固まりになって海外に輸出されていては、
リサイクルにはならない。再び消費者に戻ってきて、喜んで利用する最終の段階までしっかり確立しなければならない。
仙台市の生活者は、「消費者は神様」と決別して、むだに対する強い関心を持ち、省エネ、省資源、消費の節約、
リサイクル心の高揚、世界的な金銭感覚の自覚、安上がりな生活への転換など、どこを改善し、何に優先的に投資すべきかを自覚して生活改革に取り組む必要がある。つまり身の丈に合った生活をしようということである。
この緊急を要する資源の
有効活用と生活の改革について、当局は、現在どの組織でどのように取り組んでいて、どのような成果を上げているか。さらに今後どのように進展を図るのか、詳しく説明してください。
かつて仙台市は、昭和五十六年、
スパイクタイヤ追放の市民の声を発端に、全国に
先駆けスパイクタイヤ全廃運動を展開して実現した。平成二年の
スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律の制定に結実した。
スパイクタイヤは禁止され、北国の道にきれいな空気がよみがえった。市民の必要感が行動を起こさせたのである。さらには
環境配慮活動として、庁内では再生紙の使用、節電など、みずから率先した行動を推進した実績がある。
さらに、
環境行動を全市的に着実に実施するためには、市民の生活に
省エネルギーの観点から、
自然エネルギー有効利用、
環境配慮型の
生活スタイルを根づかせ、生活者一人一人あらゆる活動が
環境負荷に密接にかかわる認識のもと、市民、事業者の
意識改革を進める必要があると考える。また、一度ぜいたくを覚えるともとへ戻るのは大変だろう。
この
意識改革と実践行動を推進するためにどのような行動を展開し、
温室効果ガス削減を
目標どおりに達成していこうとするのか、当局のお考えをお伺いします。
グリーン購入について。
我々は、暴走する科学技術、暴走する消費経済、爆発する人口、地球の限界を強く認識し、問題解決を取り組まなければならない。
環境負荷は
二酸化炭素、(CO2 )により温暖化やオゾン層の破壊のようにグローバルに発生することもあるが、大半の環境問題はローカルに発生する。有力な意見として、環境問題は地域的に発生するので、
地方自治体が
資源循環型社会の形成を目指す
取り組みの一つ、
環境負荷のできるだけ小さい製品やサービスを消費者が積極的に選ぶことにより、その商品の歩むべき製造、流通、販売など一連の流れでいわゆる
グリーン化、つまり
グリーン購入の促進があります。
我が国では自治体、企業、NPOが
グリーン購入ネットワークに参加し、ともに
グリーン購入の促進に取り組んでおりますが、その中で本市は、
資源循環型都市づくりを打ち出し、
グリーン購入の
取り組みは全国でもトップクラスの都市であります。
本市は、具体的にみずからの
グリーン購入を引き続き拡大・拡充しつつ、地域の市民・企業の行動を促し、そのすそ野が大きく広がっております。二〇〇四年には第一回
グリーン購入世界会議in仙台を開催して、
グリーン購入仙台宣言を採択し、
持続可能社会への転換を図り、地球と共生する先進都市として人間、文明、地球の新しい連環の実現に貢献している。
温室効果ガスの削減を目指して、
資源エネルギーの消費量を劇的に削減する緊急の課題解決のために、消費者である市民に対して、
グリーン文具や
グリーンペーパー、ごみの有料化などの具体的な提案と情報提供を行っている。
しかし、
市民意識調査では、市民の
グリーン購入の意識度は十分とは言えないこと、特に高度な文化生活の中で生まれ育ち、安易な購入と使い捨ての習慣に育っている若年層の認識が少ないことが明らかになっている。
物の豊かさになれ切って、むだな
エネルギー消費に平気な価値観から「もったいない」への転換を促し、
資源エネルギーは有限であることに気づき、物を粗末にしない習慣をつけ、同時に心の豊かさや助け合うことの大切さを重視する脱物質の価値観に変わっていくことが求められている。
そこで、この価値観の転換を促進する啓発や情報提供など、今後の対策の展開について当局のお考えをお伺いします。
広瀬川の新たな魅力の発見と創出について。
悠久の
流れ広瀬川は、仙台の母なる川として多くの市民の親しみを呼び、仙台を訪れる多くの方々をも魅了しております。百万都市とは思えない清流、緑豊かな
自然環境、そしてウグイ、アユ、カワセミやカジカガエルが生息し、オニグルミ、柳、ヨシなどが生育する自然生態、どれをとってもすばらしい環境の魅力を身近に感じることができます。
私は、緑に囲まれた中で暮らすことがそれ自体、
健康増進策であり、現今の社会に生きるのに得がたい
環境づくりであると思います。広瀬川の新たな魅力の発見と創出を目指している広瀬川創生プランと、三十年の歴史ある広瀬川の清流を守る条例は等価であり、市民に幸福を呼び込む貴重な施策である。
広瀬川の
環境整備について。
広瀬川は長く市民に親しまれているが、抜くことのできない課題は、河川の
環境整備である。流域がすべて市内という仙台市の川であり、
環境整備は市民を交えた
まちづくりの活動の一環として広く展開することが大事である。清流を守り、
水中動物を生かすには、
水中動物の生態に合った河川の状態を再現する必要があり、これまでの住民生活と資産保護を第一とした
排水路整備工事主体の方法を根本的に見直す必要があります。
川岸や中州に生息する動植物は古来の生き方で生存するが、人工的にその状態を再現するには、相当の工夫と配慮が求められることは当然である。
仙台市では、広瀬川で水鳥を観察したり、
水中動物を捕獲して種類を調べたりする学習を児童生徒に実施していますが、水鳥を気持ちよく生息させるえさを確保する必要があり、その対策を講じなければなりません。マコモを初めえさとなる動植物は、人工的にふやしたり集めたりして対応すべきと考えます。マコモやアシなどは、飼料提供と水質改善に役立つはずです。私の目では、仙台市はかけ声の割合にはまだまだ生物の保護対策ができていないと感じます。自然を感じ、自然に親しむ人間性の回復には、自然の動植物が身近にあることが大切なのである。そこで、これらの広瀬川の
河川環境に対する当局の所見をお伺いします。
水中動植物の健全な生息への環境について。
「森は海の恋人」と気仙沼の漁民が広葉樹の山林の造成に力を入れているように、漁業で良質の貝を育てるには、栄養の豊かな川水が必要である。また、夏の風物のホタルの幼虫にとってはカワニナが生息する必要があり、川の生物も、良質のコケやプランクトンが必要なのである。上流で広葉樹の木の葉が堆積分解し、土中の生物がえさになり、その結果、良質の土壌が生成されて
水中動植物の生息に至るのである。このような上流から下流まで健全な生態系が維持されなければ、川だけではなく、末端の海までの問題となるものである。だから上流側に十分な対策を講じないで下流だけで
環境保全を叫んでも、本質を離れた議論であると考える。どのように広瀬川全体の健全な生態系をつくり、守っていく考えなのか、当局にお伺いします。
環境学習のあり方について。
観察学習は、それ自体新しい体験による自然への関心を高める効果はあると考えるが、
環境学習にはなっていないと評価しています。学習の深まりが、人の住める条件に及び、それを保全し、維持するだけでなく、さらに改善するための活動に目覚めさせることが求められている現状である。この必要性を強く意識して学習を成り立たせ、次の
環境改善の行動へ移るよう学習を発展させなければならないと考えている。この点について当局の御意見と方策についてお伺いします。
広瀬川の清流を守る姿勢について。
広瀬川の清流を守るには、上流域での除草剤等、生物の死滅にかかわる薬剤の使用禁止と、本支流を問わず上流の
産業廃棄物から流出する汚水被害の絶滅が必要欠くべからざるものである。どのような基準で対策をとるのか、当局のお考えをお伺いします。
川の水は常に流れているものという既成概念が先行して、川の水が常に流れていることを前提とした対策を考えてきたのではないか。これは当然、
水資源涵養にかかわる問題である。広瀬川に注ぐ支流はすべて仙台市内にあるということを意識的に考えれば、川水の蓄積と穏やかな放出、節水とむだのない利用、浄化して放流して自然の浄化に貢献する。その間における重金属の除去など、市の事業は、
市民生活を守るばかりでなく、仙台市の自然を守り生かす具体性を備えなければならない。
そこで、治山対策のお粗末なことは、従前から何度も指摘してきたことである。現今の
世界的環境悪化に対応する植林の樹種に加えて、少量の水でもよく育つ樹種を取り入れる必要が生じている。従来、水は天からの恵みで、常に得られるものという概念は定着し、干ばつが続いた場合の備えは考えてこられなかったのではないか。世界の干ばつの被害の恐ろしさをもっと身近に考え、
環境改善の見方を改める必要がある。
次に、山林の崩壊防止の事業について、乾燥と風化による自然現象ととらえてはいないか。実は、山林伐採に伴う
木材搬出道の非常識な工事が原因である。関係のないところまで樹林を切り倒し、ブルドーザーで道路を開削し、谷を埋める山を崩し、搬出が終われば放置する。自然の回復力をはるかに超えた破壊工事である。能率主義が優先し、採算が重視された結果、このようなやり方が横行して水源が役に立たなくなった。ブナを切って、その後に杉やヒバを植えて森林の改良と考える。針葉樹は保水力が一段と減少することや、多くの生物が死滅したり寄りつかなくなることなどは、全く配慮していない。
奥山にブナ、ミズナラ、クリ、コナラ、クヌギなどの植林をするのは、単に里山における猿やイノシシ、クマの被害を防止するだけではない。人間が自然とのすみ分けに努力しなければ、
自然破壊者で終わってしまうのである。さらに植物では、多種多様な植物の保護と繁殖に資することになる。すなわち針葉樹林から林相を昔の広葉樹林に変えることにより緑のダムを復活させ、自然力を回復させる働きがある。
こうした現状を直視して、山林の荒廃を防止し、自然力を回復させる方策について、当局のお考えをお伺いします。
広瀬川の水流調節について。
現在の広瀬川とその支流は、前述の理由で保水力が著しく低下し、雨が降れば急流となって一時に流れ出し、降雨がなければたちまち乾いた川になって、郷六堰の下流は川幅があるが水量が少ない状態で、急激な水量減少によって無残な姿をさらしています。大倉ダムは、ダムの底まで運ばれ、堆積した土砂で貯水量が減少し、有効な働きをしないまま放流に至っている。もう美しい風景どころではない。前には名取川から応急的に水を取り込んで急場をしのいだことがある。さらに干天が続いたら水源が枯渇し、市民の生活を脅かすことにつながる。この点について、当局の対策はどうなっているかお伺いします。
これからの
酸性雨対策について。
地球の温暖化の進行は避けられないが、将来、確実に起きるとされる宮城県沖地震の発生や、海面の上昇による低地の冠水や土地利用の変更等、海岸寄りの地域には、
防災対策が求められる。
一方、西部の森林地帯では、酸性雨による樹木の枯死と牧畜、農作物に対する影響が問題化しよう。我々の目に焼きついているのは、定禅寺通の銅像が酸性雨によって浸食された醜い姿で気の毒な状態にあることでわかる。市民活動で酸性度を測定しているが、警告を受ける状態である。降雨が少ないほどガスが濃縮され、酸性度が強くなる。このまま続けば
市民生活に強い影響があらわれ、
被害者続出となる可能性が指摘されている。県内でも
ディーゼル車の排気等、原因物質の放出が発生しているが、中国からの風で被害に至っている部分が大きいとされている。これについても泣き寝入りしてよいものか、当局のお考えをお伺いします。
広瀬川の新しい魅力への期待について。
このごろでは、広瀬川の清流を土台にして、大きく言えば
地球温暖化への備え、小さく言えば市当局の対策の手薄であった部分の修正を求めているが、市の面積の半分は山地であることを考えれば、山地に起こる異常乾燥、大量の
降雨等異常気象により、災害や自然力の回復にその必要性とその支援活動など、市と市民の協働が機能する事業は明確である。この働きによって広瀬川の新しい魅力が創出されることを期待している。広瀬川の新しい魅力にはどんなものがあると考えるのか、当局にお伺いします。
終わりに、定命七十一年の賦。
「望みも、恋も、夢もところかまわず、のべつまくなしに、からだいっぱいに、湧き上がった議会活動三十五幾年月、春風に坐す。人間その刻々を大切に。」
ありがとうございました。(拍手)
6: ◯市長(梅原克彦)ただいまの
加藤栄一議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、
地球温暖化問題に対する認識と
取り組みにつきましてお答えを申し上げます。
地球温暖化への対応は、私たち人類の存亡をも左右する大変に重大な問題でございます。我が国のみならず先進国、
発展途上国、すべての国々、全世界あるいは全人類が挙げて協調して取り組まなければならない、かつ時間的に一刻の猶予も許されない課題であるというふうにまず認識しております。
一九九七年の十二月、
地球温暖化防止京都会議におきまして、先進諸国は
温室効果ガスの排出量の削減に向けた取り決めを行ったわけでございます。しかしその後、
発展途上国などにおける
経済成長もありまして、いまだ世界の
温室効果ガスの排出は増加傾向にございます。温暖化が現在も進行し、かつ、極めて深刻な状況が到来しつつあるところでございます。
このような大変困難な問題、課題ではございますけれども、国、自治体、そして私たち個人、市民、事業者がそれぞれの役割を的確に果たすことにより、現在であればまだ解決が可能であると私は信じておりますし、また、解決しなければならない、後世の子供たち、子孫のためにもそうしなければならないものでございます。
仙台市といたしましても、
環境先進都市という名前にふさわしい自治体として、都市における
環境負荷の低減をさらに図り、自治体として求められる役割を十二分に果たすよう、今後とも事業者の皆様、市民の皆様とともに着実に進めてまいりたいと考えております。
次に、これに関連いたしまして、市民の皆様の意識の向上と具体的なそれぞれの
市民生活における行動の面における変化の促進についてのお尋ねでございました。
御指摘のように、気候変動に関する
政府間パネルの最新の報告書では、温暖化というものは人為的な
温室効果ガスの増加によって産業革命以来、とりわけ第二次大戦以後の
経済成長、経済発展によって引き起こされたと科学的に断定をされております。
この
地球温暖化が進むにつれて、何億人、さらには何十億人の人々が
異常気象によるさまざまな現象、食糧不足による飢餓、飲料水の不足、そして大型のハリケーンなどに象徴されるような風水害、沿岸洪水の犠牲となり、世界全体の総生産の二〇%にも達する被害が予測されるという深刻な報告も、最近、英国の政府から発表されているところでございます。
市民の皆様にこういった
地球温暖化問題の極めて深刻な状況を御理解いただき、市民の皆様一人一人の生活における、あるいは行動におけるいろいろな配慮、環境への配慮の
取り組みをさらに定着をさせていかなければならないと認識をしております。
今後とも
各種キャンペーンや
フォーラムの開催、私もせんだっての
フォーラムに出席をいたしました。いろいろな機会を通じて温暖化がもたらす影響、市民、事業者の皆様の取り組むべき課題について情報の提供、啓発になお一層の努力を傾注してまいりたいと考えております。
続きまして、広瀬川の魅力の創出に関するお尋ねでございました。
私たちの仙台市の中心部を流れる広瀬川は、言うまでもなく杜の都の象徴として長年にわたり自然の豊かなたたずまいと美しさ、これを保ち、いにしえの昔から変わることなく清らかに流れている仙台市のすばらしい財産でございます。
私もその流域で生まれ育ったわけでございますけれども、上流の部分の荒々しい岩々、急流ですとか滝、中流の自然のがけ、幾つものふちや瀬、そして河口部には城下町の礎となったような歴史ある貞山運河との合流などいろいろな魅力にあふれたものでございます。この仙台市のすばらしい財産、仙台の自然が私たち市民に与えたもうたこのすばらしい遺産、資産を緑豊かな景観と健全な生態系を有する清流の魅力をさらに私たち自身が磨きをかけながら後世の
仙台市民に引き継ぎ、そして現在の市民の皆様とともに新しい魅力をさらに創出してまいりたいと考えております。
そのほかの御質問につきましては関係局長から答弁をさせたいと存じます。
以上でございます。
7:
◯環境局長(高橋亨)最初に、環境の保全に関連いたしまして、省資源、
省エネルギーなどについての御質問にお答え申し上げます。
地球規模の
環境課題、あるいは都市の
環境課題を解決する上で、資源の
有効活用や
エネルギーの使用抑制は、その基本となるものでございます。資源の有効利用につきましては、百万人のごみ減量大作戦などさまざまな
取り組みによりましてリデュース、リユース、
リサイクルの啓発活動を行い、市民の皆様の御理解や御協力をいただき、一定の成果を上げていると、こう感じているところでございます。
また、
省エネルギーにつきましても、
太陽光発電や
省エネ型家電製品、あるいは
環境家計簿の普及、
エコドライブの推進などを呼びかけているところでございます。
こうした
取り組みがさらに市民の皆様に広がっていくためには、市民一人一人が現在の
環境課題の緊急性、重要性を認識し、みずからの生活を見直していただき、むだを省いた
生活スタイルの変革につなげることが必要でございます。
今後とも
各種キャンペーンの実施、
フォーラムの開催、
各種広報媒体の活用、あるいは本市の率先行動を通じまして、一層の啓発活動の充実に努めてまいりたいと考えております。これらの
取り組みにつきましては、環境局を中心として全庁的な協力のもとに取り組んでおりますが、今後さらに庁内連携も強化してまいりたいというふうに考えてございます。
また、
温室効果ガスの排出削減についてでございますが、これは国の産業政策や
エネルギー政策によるところも大きく、自治体としての施策の効果には限界もございますが、省資源、
省エネルギーを初めとするさまざまな
取り組みを強化し、市民、事業者の皆様とともに削減に向けて努力してまいりたいと考えております。
次に、
グリーン購入についての御質問でございます。
御指摘のように
グリーン購入は、
省エネルギー製品や
リサイクル原料を使用したものなど環境への負荷ができるだけ少ないものを購入するというものでございます。そして企業に
環境負荷の少ない商品開発を促し、また、市民や事業者の行動を環境に配慮したものへと変化させる有効な手段でもございます。
本市におきましては、これまで市役所自身が
グリーン購入に積極的に
取り組みますとともに、文房具や衛生用紙など身近な商品を通じて市民が
グリーン購入を実践するよう
環境配慮型商品推奨制度を設けまして、その普及などに取り組んでまいりました。また、小中学生を対象に
グリーン購入を題材とする教材の作成なども行ってまいりました。
特に若い世代の
グリーン購入への関心はまだ十分とは言えませんので、こうした若い世代も含め、市民一人一人が環境に配慮した行動をとれるよう、さまざまな機会を通じてライフスタイルの転換を促してまいりたいと考えてございます。
次に、広瀬川の魅力についての御質問に関連して、
環境学習についてでございます。
仙台市は、これまで市民や大学、事業者、環境団体などと幅広く連携しながら、市内の特色ある
自然環境を活用するなど、
環境学習の機会提供に努めてまいりました。
環境学習は環境の保全、改善、創造を図り、今日のさまざまな
環境課題を解決いたしまして、持続可能な社会を築いていくための重要な役割を担うものと考えております。御指摘のようにこうした活動が市民の意識の変化をもたらし、それが
環境配慮行動につながるよう学習プログラムの充実、改善にさらに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、広瀬川の水質の保全についてでございます。
まず、農薬等の御指摘がございましたが、法律の規制強化などもございまして毒性の低い薬剤の開発が進み、毒性や残留性の高いものは、現在、製造や使用が禁止されております。また、製品の動植物への影響に関する安全性の審査も行われているところでございます。
また、廃棄物処理施設などを含む事業場などからの排水につきましても、法や広瀬川の清流を守る条例などに基づきまして、設置の際の事前の審査、指導はもとより、その事業内容に応じまして計画的に立ち入り調査、指導を行い、不適切な状況が認められた場合には必要な対策をとるよう指導を行っているところでございます。
広瀬川の清流は市民の貴重な財産でございますので、日常の水質監視に十分意を用いますとともに、異常が見られた場合には迅速かつ適切な対応を図り、良好な環境を今後とも維持保全すべく努力してまいりたいと考えております。
次に、酸性雨に関する御質問でございます。
酸性雨の原因とされております本市域での窒素酸化物等の濃度につきましては、自動車排ガス対策などによりまして改善傾向にございます。しかしながら、酸性雨自体につきましては、その状況に変化は見られないところでございます。
御指摘のように酸性雨の問題につきましては、国においても、国境を超えた広域的な現象と認識しております。このため我が国の指導によりまして、東アジア地域における酸性雨問題に関する協力体制の確立を目的とした東アジア酸性雨モニタリングネットワークが組織されまして、酸性雨の現状やその影響を解明するなどの活動を行っているところでございます。
本市といたしましても、今後ともこれらの動向を注視し、積極的な情報の収集を行うとともに、市内の実態把握に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
8: ◯経済局長(宮本昭彦)私からは、広瀬川の新たな魅力に関連しまして、広瀬川流域の山林の整備のあり方につきましての御質問にお答え申し上げます。
本市におきましても山林は、国土の保全、水源の涵養、保健休養等多くの公益的な機能を果たしておるところでございます。このため山林の整備に当たりましては、伐採等の作業のあり方はもとより、保育や間伐の実施、伐採跡地への山林の荒廃防止に努めているとともに、野生生物の生育環境等の保全にも配慮した施業を行っているところでございます。
また、山林本来の機能を高めるために、針葉樹から広葉樹への樹種転換、種類の転換によりまして、針葉樹と広葉樹のまざった林にするいわゆる混交林化といった
取り組みも行っているところでございます。
今後ともさらに山林の持ちます多面的な機能が十分に発揮できますよう、整備を行ってまいりたいと考えている次第でございます。
以上でございます。
9: ◯建設局長(犬飼良次)広瀬川について、三点の御質問にお答えをいたします。
まず、
河川環境の整備についてでございます。
広瀬川は、美しい景観と潤いのある
自然環境を有しており、
仙台市民の貴重な財産となっております。このことから広瀬川につきましては緑豊かな
自然環境や水鳥などの多様な動植物の生態系に配慮するとともに、市民の憩いの場として調和のとれた整備が必要であろうと考えております。
本市といたしましては、河川管理者である国・県が今後策定いたします広瀬川河川整備計画の中にこの考え方に沿った計画を盛り込むよう、広瀬川にかかわる市民団体などと連携を図りながら働きかけてまいりたいと考えております。
次に、
水中動植物の健全な生息環境についてでございます。
広瀬川は、百万都市を流れる河川にあって、今日の清流を守り、多様な動植物が生息できる環境であることは、広瀬川の清流を守る条例の制定と相まって市民みずからが清掃活動などにより取り組んでいただいたたまものと受けとめております。この清流を次の世代に引き継ぎ、
水中動植物の健全な生息域を維持していくためには、川上から川下まで関係者が
自然環境の保全や水質の管理など、おのおのの役割を適切に果たしていく必要があるものと考えております。
今後とも河川管理者を初め関係機関などと連携を図りながら、広瀬川の健全な生態系を守り、育ててまいりたいと存じます。
次に、広瀬川の水流調整についてでございます。
これまで河川管理者及び利水者で構成をいたします名取川水系渇水情報連絡会を調整の場といたしまして、渇水時の合理的な水使用並びに
河川環境の保全について協議を行ってきているところでございます。
その協議の中で、渇水時には釜房ダムや大倉ダムにおいてその貯留容量の一部を放流するダムの弾力的運用を行うとともに、名取川から広瀬川への導水を行うことにより水量の確保に努めることといたしております。
今後ともこの連絡会において関係機関、事業者と連携を図り、水量の確保に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
10: ◯議長(
柳橋邦彦)次に、郷湖健一君に発言を許します。
〔五十二番 郷湖健一登壇〕(拍手)
11: ◯五十二番(郷湖健一)私は、みらい仙台の郷湖健一であります。ただいま議長より発言のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
まず初めに、松森工場及び同工場の関連施設でありますスポパーク松森に関連してお伺いをいたします。
私は、この松森工場施設に対し何度か質問をいたしてまいりました。建設に対し賛成、反対が二分化する地域の中で、建設推進に協力いたしてまいった立場から、工場周辺の安心・安全を確保する意味からもその責任を感ずるからであります。御理解をいただきたいと存じます。
まず、松森工場についてお尋ねをいたします。
私は、この時期になるとちょうど八年前を思い出します。松森工場は、既に平成三年に事業用地を決定しており、その当時から地域住民の一員としてその進捗状況に注目し、注視をしてまいりました。
平成十一年に市から地域住民に対して工場建設計画が説明された際、大きな反対運動が起こり、地域を二分するような状況となりました。私は、工場は
市民生活上、必要不可欠であり、建設やむなしとの考えから建設推進に協力をいたしてまいりました。
その後、平成十二年に着工し、順調に工事が進められましたが、平成十七年三月の引き渡し完工開所式を目前にして触媒反応塔の焼損事故が発生し、本市への引き渡しが四カ月余りおくれる事態となり、
市民生活や本市のごみ処理に多大な影響を与えたことは記憶に新しいものであります。
この事故の損害賠償などに関しては、行政が毅然とした態度で三菱重工業株式会社との協議に臨み、必要な損害金の支払いについて合意に達した点は評価すべきものであります。
このような事故の経験を踏まえ、引き渡し以降、市当局ではこのような事故が二度と起こらないよう細心の注意を払いながら工場の運営に当たっておられると思います。引き渡しから一年半余りが経過しましたが、順調に稼働しているというふうに思いますが、引き渡し以降の工場の運転状況についてお伺いをいたします。
さて、松森工場は、最新の技術を取り入れ、排ガス中の有害物質濃度の自主基準を国の基準よりもはるかに低い値に設定するなどトップレベルの
環境配慮型工場を目指して建設されました。排ガスの例で言いますと、ダイオキシン類の自主基準値は国の基準の十分の一、ばいじんについては四分の一、窒素酸化物については五分の一、塩化水素は約十五分の一にするなど非常に厳しい基準を設定し、環境に配慮していると伺っております。工場から出る排ガスの安全性は、地域住民の不安材料の一つであり、建設反対の理由の一つでもございました。実際の稼働においてはダイオキシン類などの基準への適合状況はどうであっただろうか伺い、またその状況を市民にお知らせすることも最重要と考えるものでありますが、市民に対してはどのようにお知らせしてきたのでしょうか。お伺いをいたします。
次に、スポパーク松森に関してお伺いをいたします。
スポパーク松森については、松森工場の関連施設として計画された当時から地域の方々の大きな関心事の一つであります。私なりに、地域の要望や意見をお聞きしながら、建設推進のために努力してまいりました。それだけに開業一カ月余り、後の宮城県沖地震の際、プールの天井が落下するという事故が発生したことは非常に残念でなりません。施設については原因究明や復旧が速やかに行われ、四カ月後には全面再開され、また現在は被災者の方々もほぼ回復されていると聞き、ほっとしているところでもあります。
また、昨年の九月議会での当初の見込みに比べてどのくらいの利用状況かとの私の質問に対し、見込みの一・五倍を超える利用状況であるとの答弁がありましたが、温水プールだけでなくスタジオやジムも連日たくさんの利用者でにぎわっていると聞いておりますし、私も、実際見ております。これは大変うれしく思っております。開業から一年半余りが経過しておりますが、最新の利用状況についてお伺いをいたします。
PFI事業は、民間活力とノウハウを生かし、質の高いサービスの提供と経費の節減が図られることがメリットと言われておりますが、経費削減が優先され、市民の安全・安心がないがしろにされることがあってはなりません。
施設の運営については、一義的には事業者に責任があるわけでありますが、事業主体である市が運営状況を常に把握、監視し、しかるべき対応をとることが肝要であります。天井崩落事故は施工上の問題から起こったものでありますが、管理運営上の問題においても、二度とこのような事故を起こさないようにすべきであります。市ではこの事故を踏まえ、施設の運営、維持管理状況に関してどのように把握、監視し、どう対応しているのかお伺いをいたします。
次に、スポパーク松森は現在まで多くの人が利用し、市民の健康維持、増進に寄与しておりますが、今後、安全・安心を確実に確保しながらさらなる利用拡大を図る必要があると考えております。そのためにはアクセス性の向上を図り、より利用しやすい周辺環境の整備が重要となってまいります。この施設周辺の道路整備の進捗状況や今後の見通しについてお伺いいたします。
まず、この施設を南北に結ぶ都市計画道路東仙台泉線の鶴ケ谷の仙台オープン病院から国道四号バイパスまでの未開通区間の進捗状況はどのようになっているのか、お伺いをいたします。
あわせて現在、整備を進めている城前大橋が四車線で供用できるのはいつごろの予定なのかお伺いをいたします。
また、東西線を結ぶ泉塩釜線の運転免許センター付近の整備の状況とその完成予定についてもあわせてお伺いをいたします。
次に、泉区の
まちづくりに関して、商業者と地域の活性化という観点からお伺いをいたします。
先ごろの新聞報道によりますと、泉の高森地区においてアウトレットを中心とする大規模な商業施設の建設が計画されているということでございます。また、泉区の主要道路の幹線では、消費者の多様なニーズを反映して、さまざまな形態の店舗の進出が続いております。
商業を取り巻く環境は、ますます大きく変化をいたしております。このような状況からも、従来からの商店街を初めとする既存の小売事業者においては、やはり時代の流れをみずから感じ取り、消費者のニーズに対応する形で事業を展開していく姿勢が強く求められております。このような状況を踏まえ、市では商店街など商業者に対するどのような対応を考えているのか、お尋ねをいたします。
また、商店街では、従来より市域の方々と一緒になってイベントを行うなどにより、地域の活性化のために取り組んでまいりました。しかし、商店街を構成する店舗の廃業などにより、イベントの継続が年々難しくなっている地域もあるなどの話もございます。
商店街が地域の一員として地元の活性化のために活躍していくためには、今後とも商店街のイベントを有効に活用し、地域の方々とのつながりを築いていくことが大事と思われますが、商店街のイベントに対する市の対応についてどのように取り組んでまいったのか、お伺いをいたします。
泉区の根白石商店会では、数年前からかむりの里事業として地域の特性を生かし、例えばフキノトウやシソなど地域の素材を入れたみその製造、販売を行い、売れ行きも上々ということであります。これからはこのように地域の農業と連携するなど、地域にある資源やその土地ならではの伝統などを活用して商店街のお客様をふやし、活性化を図っていくという
取り組みも必要だと考えますが、このような商店街の
取り組みに対して市としてどのように対応されているのか、お伺いをいたします。
最後に、新たな農業政策への対応などについて、数点お伺いをいたします。
国においては、平成十七年三月に新たな食料・農業・農村基本計画を策定し、平成十七年十月には経営所得安定対策等大綱が打ち出されました。その中では、農業者を一律に支援する政策を見直し、一定の条件を持つ農業者を担い手として位置づけ、その担い手に対して施策を集中させるという大きな農業政策の転換が進められております。この政策転換に伴って、本市の農業者の置かれた状況は大きく変わっているのではないかと考えるところであります。
このような大きな政策の転換を受けて、農家の方々からは、これまでのように農業を続けていけるのか、不安の声なども伺っているところであります。新たな対策である品目横断的経営安定対策に、仙台市としてこれまでどのように取り組んできたのかお伺いをいたします。
私は、国の新たな農業政策に対し、集落営農や認定農業者などの担い手が将来に対して希望を持ちながら農業経営に意欲的に取り組めるよう、これまで以上に支援を行っていくことが極めて重要であると考えております。平成十九年度から本格的に開始されるこの品目横断的経営安定対策等の制度について、今後どのように進めていくのか、
取り組みについてお伺いをいたします。
また、仙台のような都市において農業の振興を図るためには、消費者である市民と生産者とがさまざまな機会をとらえて相互に交流を行い、互いの理解を深めることが最重要だと考えております。このような市民と農業者の交流の促進について、本市としてどのように進めてまいるつもりかお伺いをいたします。
以上、大きく三点に絞ってお伺いをいたしましたが、最後に、この一月に急逝された故櫻井正孝副市長に衷心より哀悼の意を捧げつつ、質問を終わらせていただきます。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
12: ◯市長(梅原克彦)ただいまの郷湖健一議員の御質問にお答えをいたします。
まず、松森工場、そして松森スポパークについての御質問がございましたけれども、これら施設の建設に、運営に当たりまして、長年にわたり議員から多大の御協力、御支援をいただきましたことに改めて感謝申し上げます。
個々の御質問についてのお答えは、環境局長からお答えいたします。
次に、農業政策についての幾つかのお尋ねがございました。
常日ごろ申し上げましておりますとおり、農業は日本の国の宝でございます。農業は国の成り立ちの最も基本をなす産業であると考えております。
私たち人間が生きていくにとって、生きていくために不可欠な食べ物を供給するという本来の役割、そして国土の保全ですとか水源の涵養、
自然環境の維持、景観の保持、そして私たち日本人の心性、心のありよう、たくさんの役割あるいは、いわゆる多面的な機能を果たしている重要な産業でございます。
とりわけ、食料自給率が我が国は四〇%を切っている。これは先進諸国の中でも圧倒的に低い数字であり、食料安全保障という観点から、現在の日本の農業の状況は極めて深刻な状況にあるというふうに認識をしています。
そこで、お尋ねの品目横断的経営安定対策でございますが、仙台市の農業におきまして、意欲と能力のある次の担い手の方々を育成し、そしてその経営の安定を図っていくための的確な対応が必要であるというふうに考えております。
地域の農業者の皆様がこの制度を活用され、また新しく農業を始めようとされる新しい農業の担い手の皆様も含め、経営力が向上していただけるように、仙台市としても、さまざまな
取り組みを行い、認定農業者への移行ですとか集落営農組織に参画をしているところでございます。今後ともきめ細かい支援を行ってまいりたいと考えております。
次に、市民と農業者の交流の促進についての御質問でございます。
御指摘のように、生産者と消費者との交流という側面が、非常に大きゅうございます。仙台の農業への消費者としての、あるいは市民一般の皆様にとっての理解、あるいは消費者側のニーズへの対応を進めていく上でも非常に重要であり、また日ごろ田んぼや畑になかなか接することがない都会の子供たちにとっても農業というものを知ってもらうために非常に重要な
取り組みであると思います。
このため、地産地消事業の中で地場農産物の市民への普及に努めておりますほか、農家の皆様による栽培指導型農園の開設などのもろもろの交流促進事業を行っております。私も、昨年の秋、現場を何カ所か視察をさせていただきました。こういった
取り組みを通じまして、市民の皆様にとって農業がより身近な産業としてとらえていただき、地域の農業者の皆様も自信と希望を持って農業経営ができるような、あるいは始められるような施策の実施に努めてまいりたいと思っております。
新しい農業政策、議員御指摘のように昨年の基本政策の見直し以来、さまざまな新しい国の
取り組みが進んでおります。農林水産省の幹部が仙台に来訪する際にも極力私も、時間を割きまして、各種の東北ブロック全体の会議も含め出席をいたし、また、仙台あるいは宮城県の農業の現状なりについて御説明をしております。県の方も、村井知事のリーダーシップによりまして産業経済部から農林部を独立、復活させたこと、これは大変県の農政についても新しい
取り組みであるというふうに考えております。
今後とも県、あるいはJAの皆様とともに連携をいたしまして、仙台市独自の農業を大切にする政策を進めてまいりたいと思っております。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から答弁をさせたいと存じます。
以上でございます。
13:
◯環境局長(高橋亨)私からは、松森工場及びスポパーク松森に関する数点の御質問にお答え申し上げます。
初めに、松森工場の運転状況についてでございます。
御指摘のように、本工場は、平成十一年の建設計画の時点以来の経緯もございまして、地域の皆様の生活環境に十分な対応を図る、
環境配慮型の工場として建設、運営することを基本的な方針とした工場でございます。
工場の施工業者からの本市への引き渡し直前にトラブルが発生いたしまして、皆様に大変な御心配と御迷惑をおかけいたしましたが、その後の対策に万全を期し、また、細心の注意を払いながら運転管理や整備を行ってまいりました。現在まで順調に稼働しているところでございます。
実績といたしましては、本年度は一月末までに本市三工場の処理量の約三五%、十一万五千トンほどの焼却処理を行っております。
次に、ダイオキシン類など、排ガス中の各種物質の排出基準への適合状況についてでございます。
松森工場は、国の規制基準よりもさらに厳しい自主基準を設けまして、これを目標とした運転管理を行っております。ばいじん、窒素酸化物、塩化水素なども含めまして、排ガス中の各種物質のこれまでの測定結果は、いずれも自主基準値を下回っております。特にダイオキシン類につきましては、毎月測定を行っておりますが、自主基準値である〇・〇一ナノグラムを大幅に下回る値で推移してございます。
また、これらの測定結果や焼却炉の燃焼温度等の運転状況につきましては、仙台市のホームページに最新のデータを公表しております。また、さらに詳しい内容も含めまして、工場において閲覧できるようにもしてございます。
次に、スポパーク松森の最新の利用状況でございます。
平成十八年度は、一月末までにプールやジムなどの屋内施設で二十四万一千人ほど、テニスコートやフットサル場などの屋外施設で五万四千人ほど、合わせて二十九万五千人ほどとなってございます。引き続き当初見込みの約一・五倍の利用状況で推移しておりまして、多くの市民の皆様の御利用をいただいているというふうに感じてございます。
次に、施設の運営維持管理についてでございます。
PFI事業は、民間の資金とノウハウを活用するものでございますが、利用者の安全など、提供されるサービスの質の確保については行政がその責任を果たしていかなければならないものと、やはり一昨年、御迷惑、御心配をおかけいたしました事故の教訓も踏まえまして強く認識しているところでございます。
スポパーク松森におきましては、月一回、事業者から提出される業務報告書の書面チェックを行うとともに、四半期に一度の定期的な立ち入り調査、あるいは臨時的な随時の立ち入り調査も実施いたしまして施設の維持管理状況や運営状況の把握に努め、必要な指導、指示を行っているところでございます。
また、利用者アンケートも実施いたしまして、利用者の皆様の御意見をお伺いし、施設の運営に反映するなどの対応も行っているところでございます。
今後とも、市民の皆様に安全で良質なサービスが提供されるよう努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。
14: ◯経済局長(宮本昭彦)私からは、泉区の商店街の活性化につきましての御質問についてお答え申し上げます。
まず、商業環境の変化を踏まえた泉区の商業者への市の対応についてでございますが、近年、消費者の多様なニーズを背景といたしまして、さまざまな形態の商業施設が出現しているのは、議員御承知のとおりでございます。このような商業環境の大きな変化の中では、商店街を初めとする既存の小売事業者の方々は、例えばより地域に密着する形で事業展開を行うなど他の商業者の方と差別化を図っていく必要があるものと考えております。
本市といたしましても、このような観点から、新年度、商店街が少子高齢化の進展等に伴いまして生じます地域のさまざまなニーズに対しまして、新たな地域ビジネスとして御対応いただけることができますよう助成制度の見直しを行いまして、商店街の積極的な事業展開を御支援してまいる所存でございます。
今後とも商店街が地域のコミュニティーの核としまして、そこにお住まいの皆様の生活をさまざまな面で支えていただけることができますよう、商店街の皆様方とともに取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。
続きまして、商店街のイベントに対する市の対応についての御質問でございますが、商店街はこれまでもイベントの開催を通じまして地域における連携を強化しながら地域の活性化に取り組んでこられ、市としても、これを御支援してまいったところでございます。商店街がイベントを実施されることは、それによりまして地域の皆様との交流がより一層深まることで、その効果として単に集客効果のみにとどまらず、商店街の日々の経済活動が活性化されていくということになると考えておる次第でございます。
本市といたしましても、今後とも商店街が他の団体とも交流を図り、より多くの集客が見込まれ、地域の皆様方に支持されるようなイベントを実施していただけますよう、商店街の皆様と協議してまいりたいと考えておる次第でございます。
最後に、地域資源等の活用による地域活性化についてでございますが、競争の厳しい商業環境におきましては、御指摘のように商店街がそれぞれの地域の特性や個性を生かしながら魅力を高めていただき、地域の方々を初めとする多くの皆様に改めて商店街のよさを、すばらしさを再認識していただけるような
取り組みが重要でございます。
本市といたしましても、新年度予算におきまして、商店街の皆様がその地域の農業や他の分野との連携など、地域にあります資源等を活用し、独自の商品開発や商品力や接客力の向上などの
取り組みを行う場合に、専門家の方などを派遣いたしまして助言を行うなどの新たな事業を行いたいと考えております。商店街の魅力づくりや活力の向上に向けましては、積極的に引き続き御支援をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
以上でございます。
15: ◯建設局長(犬飼良次)私からは、スポパーク松森周辺の道路整備状況についてお答えいたします。
まず、都市計画道路東仙台泉線の鶴ケ谷の仙台オープン病院から国道四号バイパスまでの区間でございますが、バイパス六車化計画との調整も完了いたしまして、現在鋭意工事を進めているところでございまして、平成十九年十二月の供用開始を予定いたしております。
また、その先の七北田川にかかる城前大橋につきましては、現在供用いたしております橋梁の上流側に新たに二車線を整備し、四車線化するものでございますが、平成二十年の八月の供用開始を目指し工事を行っているところでございます。
次に、県道泉塩釜線の県運転免許センター付近の整備につきましては、平成十九年の十月の完成を目標に、現在、残り一件の用地買収を進めるとともに、国道四号仙台バイパスとの交差点の両側の道路拡幅工事を進めているところでございます。
これらの道路整備によりまして、交通渋滞の緩和など交通環境の改善が図られ、スポパーク松森のより一層の利用促進につながるものと考えております。
以上でございます。
16: ◯議長(
柳橋邦彦)副議長と交代いたします。
〔議長
柳橋邦彦退席、副議長 相沢芳則議長席に着く〕
17: ◯副議長(相沢芳則)議長と交代いたします。
次に、岡本あき子君に発言を許します。
〔六番 岡本あき子登壇〕(拍手)
18: ◯六番(岡本あき子)
フォーラム仙台の岡本あき子です。
初めに、櫻井副市長の御逝去に心から哀悼の意を表します。
櫻井副市長は、制度ありきではなく、市民一人一人の状況を理解し、市民の立場に立った判断を随所で行ってくださった方でした。もっともっと市民の立場で市政運営に携わっていただきたかったです。心より御冥福をお祈りいたします。
私からは、人を大事にするまち仙台をつくるという視点で一般質問を行わせていただきます。
新しい市立病院のあり方に関する検討委員会の報告書を踏まえまして、関係部局と十分協議しながら、今後具体的な計画を策定していく中で検討を重ねてまいりたいと思います。
以上でございます。
23: ◯六番(岡本あき子)私からは、数点、確認も含めて質問させてください。
最初に、市長の御答弁で、企画市民局でも中・長期にわたる計画で担うものがあるような御答弁をいただいたかと思ったんで、聞き間違いだったら申しわけないんですけれども、確認をさせてください。
それからですね、障害者自立支援法の移動支援の上限の話ですけれども、仙台市では内規として四十時間持っている。現実はそんなに使う人はいなく、平均的には十二・六だという御答弁。だから四十時間で問題ないんだという御答弁だったんですが、私は、だからこそ四十時間という時間を設けなくても大丈夫なんじゃないかという意味で質問させていただきました。
仙台市の場合、移動時間に制約をかけていると思われているということに対する私にとっては違和感ですし、周りからも「仙台市の場合は移動で上限という制約を設けている」と言われることに対して、本当に仙台は自立支援を促そうとしているんだろうかという外から見た客観的な声として受けているということに対して、現実、撤廃しても財政上、例えばもう四十時間を超える人たちが続出して、今でも大変だから四十時間で理解を求めているというんであれば、またそれは別なんですけれども、現実的には、撤廃してもできますし、逆にそのことによって、仙台は移動支援も含めて本気で自立を支援しようとしているんだということがわかるんではないかという点で再度質問させてください。
それから、せんだい保育室の準認可という表現についてですけれども、それにつきましてもあからさまに認可、認可外と区別されるその認可外、無認可と言われることに対する質の担保というものがないということに対して私は心配をしているので、逆に堂々と、ほとんど認可保育所に準じてせんだい保育室設けていますし、大きさの問題、あるいは日照の問題、そういう部分では多少認可よりも基準が下がっているところありますけれども、十分認可と変わらない質を持っているものと私はせんだい保育室に対しては思っていますので、ぜひその言葉の適用ということ、認可外だと一言で片づけられるということに対する信頼を損なう部分について、ぜひもう一度考えていただきたいということで御質問させてください。
24: ◯市長(梅原克彦)企画市民局につきましては、総合政策部門と地域政策部門、この二つの部門が連携しまして数々の課題に取り組んでまいりますということでございます。それは例えば、これまでも進めております新しいコミュニティーづくりの関連施策がその一つでございますが、中・長期的な課題、今後の市の総合計画などの中・長期的な課題への対応を行ってまいります。
以上でございます。
25: ◯健康福祉局長(瀬戸和良)移動支援事業の一カ月四十時間の上限についての再質問でございますが、この事業は、基本的に通院でありますとか官公庁での手続でありますとか、そうしたもののほか、議員御指摘のような目的についても対応しているという事業でございます。
この一月の四十時間という、上限という言葉を使っておりますけれども、目安でございまして、個別の対応について絶対にこれを超えてやっていないかというとそういうことではございません。そこは弾力的に対応しております。そうした趣旨を十分に御理解いただけるよう努めてまいりたいと考えております。
26: ◯子供未来局長(荒井崇)せんだい保育室に関する御質問にお答え申し上げます。
議員御指摘のようにせんだい保育室、認証保育所としまして市としては認定いたしまして、その保育の質の向上に努めているところでございます。一方でやはり認可保育所、認可外保育所、認可保育所に関しましては法令上のいろいろ基準にのっとって保育を行っているものといった違いございまして、やはり言葉として、名称といたしましても、その違いというのは余り不明確にすべきでないものと考えてございます。
また、認証保育所という形で現在、名称をつけているわけでございますけれども、そういった名前で定着しつつあるところでございまして、御理解を賜ればと考えてございます。
以上でございます。
27: ◯副議長(相沢芳則)この際、暫時休憩いたします。
午後三時十分休憩
────────○────────
午後三時三十分開議
28: ◯副議長(相沢芳則)休憩前に引き続き、会議を開きます。
次に、嶋中貴志君に発言を許します。
〔九番 嶋中貴志登壇〕(拍手)
29: ◯九番(嶋中貴志)公明党の嶋中貴志でございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
初めに、安全・安心対策についてお伺いいたします。
近い将来、発生することが確実視されている宮城県沖地震などの災害に備えることは当然として、日常的な安全・安心対策である街灯、交通安全の問題は、市民の皆様が肌で実感できる問題ではないでしょうか。
地域の懇談会を開き、お話を聞くと、「毎日の通勤帰りのあの道は暗くて怖い」、「通学路の交差点を渡るとき、小学校低学年の保護者の方や高齢者の方から歩行者用信号機をもう少し長くしてほしい。また、歩行者用信号機が青のときは車が来ないように」等々、さまざまな御意見をちょうだいいたします。
大事な御意見だと思い、交通安全について調べてみますと、第八次仙台市交通安全計画がありました。人命尊重の理念に基づき、究極的には交通事故のない社会を目指す。目標として、安全な道路交通の実現を目指し、年間の二十四時間死者数を三十人以下とするとありました。この目標はおかしいのではと疑念がわきます。目標たるもの、人命尊重の理念というならばゼロであるべきではないかということです。一人一人の交通安全に対する心がけは当然として、多くの市民が感じている交通安全施設等の整備は責務と感じますが、いかがでしょうか。
このような街灯の問題、交通安全問題について、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。
あわせて、交通安全施設に関する予算措置について、過去五年の推移もお示しください。
次に、自動体外式除細動器(AED)の設置促進についてお伺いいたします。
この問題に関しては、平成十五年第三回定例会、平成十六年第三回定例会、平成十七年第一回定例会において質問をさせていただきました。
平成十六年七月、厚生労働省医政局長通知「非医療従事者による自動体外式除細動器(AED)の使用について」により、救命の現場に居合わせた市民がAEDを用いることは、一般的に反復継続性が認められず、医師法十七条違反にはならないものと考えられるという見解が示されました。
これを受け、本市においては、平成十六年十月十二日付で消防局から各局・区長、事業管理者へ、所管する施設のうち多くの市民が利用する施設等への設置促進について、予算措置等も含めて御配慮くださいとの通達をされたところです。消防局の調べによりますと、平成十七年八月末日現在、市立中学校・高等学校・養護学校、区役所、
総合支所、仙台市体育館等の市有施設に合計百四十四台、平成十八年十二月現在では百六十五台のAEDが設置されました。「全市民救急技術取得都市を目指そう」と言及した前藤井市長と、それに呼応した消防局の推進に心から敬意を表したいと思います。といいますのも、先般、仙台市地下鉄駅構内で心肺停止状態となり、AEDを利用して命を救った事例が発生しております。
そこで、今後の
取り組みについてですが、現在、消防局が窓口として行っておりますが、各局・区長、事業管理者任せであり、それぞれの予算措置ということもあり、推進にばらつきが出るのではないかと危惧するものです。市の施設という範囲、予算措置について全体計画をきちんと立て、今後取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、本市ではまだ導入されていない小児用AEDがございます。本体はそのままで、パッド部分を小児用にかえればよいとのことですが、この導入についてもあわせてお伺いいたします。
次に、頑張る地方応援プログラムについてお伺いいたします。
これは、やる気のある地方が自由に独自の施策を展開することにより、魅力ある地方に生まれ変わるよう、地方独自のプロジェクトをみずから考え、前向きに取り組む地方公共団体に対し地方交付税等の支援措置を講じるものです。支援措置として一市町村につき単年度三千万円とし、三年間まで措置するというもので、申請するだけで三千万円ですから、大いに活用するべきではないかと思います。この地方応援プログラムについてはどのように考えているのか、お伺いいたします。
国から言われるまでもなく、本市としてさまざまな
取り組みを行ってきているわけで、「自らの創意と主体的な変革を通じて、時代が課す試練を乗り越え、自らの未来を創造していかなければなりません」と梅原市長も施政方針の冒頭で述べていらっしゃり、認識を同じくするものです。さらに「仙台には限りない可能性が存在しているものと信じています」とも言われております。そこで四点、御提案をさせていただきます。
一点目は、本市シティセールス誌である仙台NEWで取り上げられていた貞山堀に着目してみてはいかがでしょうか。我が会派でも視察し、こんなすばらしい景色が仙台にあるのかとの思いを強くしました。ヨーロッパのようだと言っている人もいました。
貞山堀は、伊達政宗の号「貞山」にちなんで名付けられたもので、貞山運河とも呼ばれており、阿武隈川から北上川まで四十六・四キロメートルに及ぶ日本一の運河であります。日本一というものはそうそうあるものではありません。市民協働で整備、利活用していくことは仙台の魅力に大いに貢献していくものと考えますが、いかがでしょうか。
二点目は、本市西部地域について、私は平成十五年第二回定例会、第四回定例会、平成十六年第三回定例会と三度にわたり道の駅設置の提案をさせていただいておりますが、道の駅ではなく作並地区の観光施設を整備すると示されております。約三千六百平方メートルの敷地に、計画としては核となる施設が延べ四百平方メートルの木造平家建てがあり、駐車場が約二十台とのことですが、さしずめミニミニ道の駅といえ、地域振興という観点では大きな前進であり、今後見守り、さらなる発展を期待いたします。
さて、本来、道の駅は国土交通省の補助事業であり、最近は災害避難拠点としての機能が注目されているとのことですが、道路の休憩施設、附帯施設がまずあり、それを利用して地域振興、情報発信を行うものと考えます。
道の駅の質問をすると、経済局が今まで答弁をされてきましたが、違うのではないかと思うわけです。道路交通の観点から言うと、建設局なり都市整備局が中心となりスタートし、中身の問題として経済局が絡むのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
国道四十八号線作並地域には、相生橋のところが、地元の方から魔のS字カーブと言われております。直轄国道であり、関係ないと言われるかもしれませんが、本市にとっての重要幹線道路であります。道路整備とあわせ道の駅設置を改めて御提案いたしますが、御所見をお伺いいたします。
三点目は、今後の仙台の位置づけといいますか、現在、東京仙台間は、新幹線で最速一時間三十六分です。将来的に一時間ちょっとで行き来できるようになると思います。そうしますと、東京近郊のベッドタウンと変わらない時間的距離になるわけで、仙台市内に住み、働いている我々には余り感じないことですが、東京出身、また西日本出身の方で東京にお住まいの方はこのことが余りわかっていないと思います。東北は遠い、寒いといったイメージが相変わらずあり、来訪し初めて本当に杜の都仙台だ、きれいな町並みで食べ物がおいしい、自然がすばらしい、人情があるといった感想を持たれ、会社関係の方も、リタイアしたら老後は仙台で暮らしたいといったお声をお聞きします。
各自治体も、歳入アップ策のため、団塊世代の取り込みである定住策等を検討し、実施しているところもあります。私は、定住というより、東京との時間的距離の近さを考え、別荘感覚で仙台を見ていただき、誘導施策を考えてみてはと思うわけです。いわゆる仙台市をセカンドハウスとする考えです。ターゲットを団塊世代富裕層に置き、仙台に住居を購入していただき、その際、固定資産税の軽減をするとか、仙台を拠点として季節の変わり目等、お好きな時期に仙台に滞在し、東北六県を見て歩き、おいしいものを食べ、各種スポーツも、仙台なら車で三十分圏内でできることを、単に住むだけでなく健康寿命を延ばし楽しい人生を送ることなど大いに仙台をPRしてみてはいかがかと考えます。御所見をお伺いいたします。
四点目は、JR仙台駅の問題について、市長のお考えをお聞きしたいと思います。
百万都市仙台の表玄関は、言うまでもなくJR仙台駅であります。周辺の自治体の住民の利用を考えますと、その表玄関としての重要性は、はかり知れないものがあります。
ところで、JR仙台駅にはなぜ東側に改札口がないのでしょうか。
仙台市民の税金を使って駅広を設けました。バスやタクシーなどで東口に到着した市民は、南側か北側の通路を使って西側の改札口へ回らなければなりません。東京駅の丸の内、八重洲の改札口は有名ですが、福岡駅、広島駅、札幌駅など地方の主要都市のJR駅には、線路を挟んだ両方に改札口があります。
百万都市仙台、東北地方の中心都市などと叫んでみても、実態は、東口もない田舎の駅と何ら変わりがありません。しかも仙台駅の東側には、駅東第一区画整理事業に引き続き、現在急ピッチで進められています駅東第二区画整理事業により大きく変貌を遂げています。
仙台市民の利便性を考えればJR仙台駅の東側に改札口を設置すべきであると考えますが、市長の考えと、JR側への働きかけをやる意思がおありかどうかお尋ねいたします。
最後に、施政方針についてお伺いいたします。
私は、今回の施政方針については大変に期待をしておりました。期待どおりのところもありましたが、最大の関心であった歳入対策について、具体的に見えてこなかった点であります。昨年の施政方針では、市長の精神性、熱意が感じられ、歳入アップの重要性についても十分御認識され、APECの仙台誘致等、具体的に述べられ、さらにその仕組みづくりへの
取り組みについても記者会見で言及されておりました。
都市間競争と言われる現在、歳入アップへの
取り組みに成功したところが生き残っていくのではないかと私は考えるもので、市長の御認識も同じだと思います。しかしながら、今回の施政方針は事業の羅列というか、現状課題の対処、場当たり的な印象がまず感じられ、冒頭質問させていただきましたが、安全・安心対策も市民感情と離れているのではないかと危惧するものです。
歳入アップ対策について、一端を御提案させていただきましたが、市長の御所見をお伺いいたします。
施政方針の結びの中で言われている市民の皆様の声に真摯に耳を傾け、満足度の高いサービスを提供出来るようとの言葉どおりになることを御期待し、一般質問を終わります。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
30: ◯市長(梅原克彦)ただいまの嶋中貴志議員の御質問にお答えを申し上げます。
施政方針における歳入対策に関するお尋ねでございました。
私も議員御指摘のように、仙台市の将来の発展のため、あるいは現在の市民の
市民生活の向上のため、何よりも歳入の増加を図ることが極めて重要な視点であるという基本認識を持っております。
問題は、これをいかにして実現をしていくかということにかかっているわけでございますが、常日ごろ申し上げますように、税収あるいは仙台市の歳入をふやしていくために市民の皆様の懐、そして事業者、企業の収益が上がること、広く仙台市の経済、産業、中小企業の活力がもっともっと高まって、そのことにより個人も事業者も収入、収益がふえるとか、こういったプラスのメカニズムといいましょうか、そういったものをつくっていかなければならないわけでございます。
そのためにやらなければならないことはたくさんあるわけでございますが、まず今回、ビジョンでお示ししたように大きくとらまえ、仙台市のビジョンをどのような視点からとらえるか。経済にしても人材にしても、情報などの交流を活性化していくこと、そして自然界でも人間同士でも社会現象においてもいろいろな交流が進み、刺激をし合い、そこから新しい価値が生まれたり刺激をし合ったりすることによっていろいろな新しいものが生まれていく。これは、人類の歴史的な経験則からも、全体として正しい視点だと思います。そういった交流による活性化によってまた新しい価値が創造されると、こういうコンセプトでございます。
しかし、抽象論だけではいけないわけでございまして、そのためにも都市ビジョンにおいて、いろいろな基本的な施策の方向なり、あるいは具体的な策も今回の施政方針で提示をしておるつもりでございまして、決して場当たり的にやることを羅列したものではございません。
そして、各論段階で申し上げることは、申し上げれば切りはないわけですが、やはり一つは十九年度において東西線の整備など将来に向けた投資、とりわけこの場合、東西軸という、仙台においてこれまで弱かった交通軸の整備というのが、仙台の市域のバランスある発展にとって必要不可欠である。その投資を、東西線というですね、しかも
環境負荷を低くするための投資をタイムリーに進めていくこと、加速的に進めていくことが重要であると考えております。
そして仙台には、常日ごろ申し上げますように、大学を初めとするたくさんのすぐれた研究の集積、人材が集まっている。そして仙台にも若者がたくさん住んでおり、近隣の自治体からもたくさんのお客さん、若者が週末集まる。そういった仙台が本来持っている活力、可能性、これをできるだけ引き出して、そこから先ほど来申し上げたようなプラスの循環をつくり出していくこと、それは因果関係が必ずしも明確ではありませんけれども、ある種の複雑系の循環というか因果関係になっていますので、一つ一つ各分野においてインフラの整備なり商店街の活性化なり、あるいはデスティネーションキャンペーンに象徴されるような誘客などを一つ一つ地道に精力的に進めていく。それによって初めて都市全体の活力が高まり、雇用が確保され、個人の収入がふえ、事業所、私企業の収益が上がる。そしてそこにまた人も物もお金も情報も集まってくる、こういうモデルをつくり出したいと、こういう考え方でございます。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
31: ◯企画市民局長(平井俊之)私から二点、御答弁申し上げます。
まず、頑張る地方応援プログラムについての御質問にお答えいたします。
この頑張る地方応援プログラムは、やる気のある地方が自由に、独自の施策を展開することによりまして、魅力ある地方に生まれ変われるように新年度に総務省が打ち出す新しい事業でございます。これによりまして、地方交付税等の支援措置を講ずるというものでございます。
本市といたしましては、複数の事業がこの応援プログラムに該当するのではないかというふうに考えておりまして、財源確保という観点からも積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
二点目は、団塊世代の本市のPRについての御質問でございます。
人口減少や経済の停滞など、地域全体が大きな変化を続ける今日、国内の多くの自治体が大都市圏に住む団塊世代層の地方への定住を促進するための
取り組みを進めているということについては、私どもも十分承知をいたしております。特に仙台につきましては、首都圏からの時間距離が短く、また、さまざまな調査におきましても常に住みよいまち、住んでみたいまちのトップクラスにランキングされるということでございまして、今後これら団塊世代の動向に十分注目をしながら、さらにさまざまなライフスタイルへの対応も含めまして、どのような施策が適切で効果的であるのかというような点も含めて、幅広く検討してまいりたいというふうに思っております。
以上でございます。
32: ◯都市整備局長(中村克正)JR仙台駅の東側の改札口設置についての御質問にお答えいたします。
議員御指摘のとおり、JR仙台駅は東北の玄関口としての広域的な交通結節点であり、本市の創造と交流の基点となる都心の
まちづくりにおいて、駅の東西が一体となって発展することが大変重要であると認識いたしております。
また、駅東地区における土地区画整理事業による市街地整備の進展もありまして、東側改札口のニーズは高まってきているものと考えております。
このことは単に改札口の課題だけではなく、駅舎全体構想にかかわることでもございますので、今後ともJR東日本との協議において積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
33: ◯建設局長(犬飼良次)私からは、建設局が所管いたします三点についてお答えをさせていただきます。
まず、交通安全施設等の整備についてでございますが、本市の交通安全計画の基本的考え方に基づき、人優先の交通安全指導のもと、交通事故のない社会を目指し、市民の安全と安心を確保するため重点的に対応してきているところでございます。
街灯の整備につきましては、児童生徒の安全確保のための通園・通学路や、公共公益施設周辺の道路を優先いたしまして、街灯の照度アップや増設を行ってきたところでございます。
交通安全施設の整備につきましては、バリアフリーの観点も含め、歩行者や自転車の安全な通行を確保するため歩道整備や交差点改良などを実施してきております。
過去五年におきます交通安全施設整備に要した費用は、年間二十億円程度で推移してきましたが、今年度策定いたしました総合道路整備計画の中で、平成十八年度以降、従来以上に拡充、重点化して取り組むことといたしておりまして、今後とも市民が安全・安心に暮らすことのできる地域社会を実現するため、交通安全施設の整備に鋭意取り組んでまいる所存でございます。
次に、貞山堀についてのお尋ねでございます。
御指摘のように貞山運河は、藩政時代から明治にかけての遠大な土木工事の面影を残す歴史的な遺産であり、両岸に連なる松林と水面とが見事に調和した独特の水辺景観を形成いたしております。
このようなことから、海岸公園整備計画ではこの貴重な貞山運河を有効に活用できるよう事業を進めておりまして、その中で拠点地区の一つである荒浜地区におきまして、貞山運河の豊かな
自然環境と歴史的資産を保全し、市民の皆様がカヌーやボート遊び等に利用できるような魅力ある親水空間の整備に努めてまいりたいと存じます。
最後に、道の駅の設置に関する御質問でございます。
まず、国道四十八号作並地区の道路線形改良事業につきましては、沿線自治体で構成いたします国道四十八号道路改良整備促進協議会におきまして国土交通省に要望を行ってまいりました結果、平成十九年度より用地買収に着手する予定と伺っております。
また、御案内のように道の駅の設置に当たりましては、休息施設や情報発信施設につきましては道路管理者が整備し、併設する地域振興施設については地元の自治体や第三セクター等が整備を行い、道の駅全体の管理運営は、地域振興施設の設置者が行うというものでございます。
御提案の相生橋付近の設置につきましては、道路管理者であります国土交通省との協議はもとより、地域の方々の振興意欲や熱意の高まりと、それを継続する力が何よりも重要かと存じます。
以上でございます。
34: ◯消防局長(可沼伸一)自動体外式除細動器(AED)の設置促進についての御質問にお答えを申し上げます。
本市では、各局・区の判断に基づき、多数の市民が利用する施設を中心にAEDの整備に取り組んできておりまして、その重要性から一定の予算措置が講じられ、これまで順調に整備が進んできたものと認識しております。
AEDの設置対象施設を明確にし、予算措置を含めた全体計画を策定して取り組むべきだとの御指摘につきましては、全庁的な調整が必要でありますことから、AEDの設置に係る各局・区の考え方などを踏まえまして、今後の
取り組みのあり方について関係部局と連携し、検討してまいりたいと考えております。
また、小児用のAEDパッド導入につきましては、既に各局・区にその必要性につきまして情報提供したところでございますが、施設の利用実態等を考慮しながらあわせて検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
35: ◯副議長(相沢芳則)次に、ふるくぼ和子君に発言を許します。
〔十二番 ふるくぼ和子登壇〕(拍手)
36: ◯十二番(ふるくぼ和子)日本共産党仙台市議団のふるくぼ和子です。
昨年十二月には、自民・公明政権が教育基本法の改悪法案を強行採決しました。拙速に決めるべきではないというかつてない国民的運動と国民世論に背を向けての強行採決です。